飯島企画業務日誌

『永遠(トコシエ)のふたり』高見澤潤子

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おはようございます☀️
本日も本の感想を書いていきたいと思います。20190620_155625 20190620_155615
『永遠(トコシエ)のふたり』高見澤潤子
「夫・田河水泡と兄・小林秀雄」

高見澤潤子さんの作品
潤子さんは、文芸評論家で作家でもある「小林秀雄」氏の実の妹で
夫「田河水泡」とは漫画家としてのペンネームで
本名の「タカミザワ」をもじったものだそうです「タカワ」「ミズアワ」

作品の視点は潤子さんの幼少期からの家族関係やその時代の様子を伝えています
この時代の女性の在り方は男尊女卑であり、その境目だったのかも知れません

戦争や関東大震災を経験し食べ物が質素で殆んどの人々が貧しい生活を余儀なくされましたが
皆がそうであったから、これが「当たり前」と思えたのでしょうか

潤子さんは「キャリアウーマン」の先駆けの様で色々な事に挑戦し活躍していきます

親を介護し、夫で漫画家の田河水泡の手伝いをしながらの事です
夫は「のらくろ」の作者であり自然を心から愛する方だった様です
これは兄小林秀雄も同様でとても純粋な家族で有ったと想像されます

この作品の多くは夫と兄との出来事が多く、その中で二人から「苦しみを尊重すること」を強く示されたと言います
苦しみを尊重するということは、苦しみ、困難、不幸な事柄を大切にする、ということで
嫌がらず、逃げずに素直に受け入れ、それを経験とし道を開いて行く努力を惜しまない

夫の好きな言葉は「冬来りなば春遠からじ」
兄は「不平不満で日を過ごす程、時間の浪費はない」と
どんなことでも感謝する気持ちで過ごさなければ成らない
不公平や差別を受けて怒りたい気持ちに成っても
自分はこれだけの力、考え、健康がある、自分に備わっているものに感謝すれば、明るく生きられる

この作品に登場する人物は皆、使命感を持って生活し時代を切り開いて行く

やりたい事が出来た潤子さんは心残り無く99才の命を綴じたのではないでしょうか

兄、小林秀雄は1983年に80才没
夫、高見澤仲太郎は1989年90才没
潤子さんは2004年没

田河水泡さんが描いた「のらくろ」は50代の私には、「のらくろと言うキャラクターは知っているけど?」と言う位なので
江東区森下3-12に在る
森下文化センター1F「のらくろ館」に行って来ました
のらくろの歴史やそこにまつわる人物、田河水泡さんが作品を産み出した書斎の再現等の展示
書籍コーナーもあり‥のらくろや水泡さんの弟子の本が整えられていました
のらくろのキャラクターグッズも販売しています
常設展示で9時~21時、定休日は第1・3月曜日(祝日の場合は開館)
ご興味のある方は、どうぞ足をお運び下さい

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