飯島企画業務日誌

『今年4月から東京都は自転車保険義務化』

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『今年4月から東京都は自転車保険義務化』
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自転車保険への加入を義務化する自治体が増えています。東京都でも関係条例の改正が2019年9月に成立し、今年4月に施行予定。自転車は便利で手軽な乗り物で免許も必要ありませんが、ルールを守らなかったり周囲への配慮に欠けた乗り方したりすると、凶器にもなりかねない存在なのです。
自転車事故は自分がけがをするだけではなく、相手にけがをさせ、相手の器物・財産をこわすことにもつながります。特に死傷事故になってしまった場合には、刑事上の責任や民事上の損害賠償責任を負うなど大きな問題となります。
大学生女子がスマホを操作しながら運転して歩行者にぶつかり死亡させた事故では、禁固2年執行猶予4年の判決が言い渡されました(2018年8月 横浜地裁)。また、小学生男子が夜間の運転中に歩行者と正面衝突して被害者の意識が戻らない状態となった事故では、9521万円もの損害賠償が命じられています(2013年7月 神戸地裁)。
クルマの場合は、強制加入の自賠責保険と任意加入の自動車保険の2階建てで損害賠償に備えています。一方、自転車には強制加入保険はなく、個人賠償責任保険などに任意加入する形となっていますが、これが自治体によって義務化される流れなのです。
気になる保険料ですが、月額では数百円までの負担水準です。クルマの保険金額に比べると、安価で手軽に感じられるかもしれません。
なお、加入義務化の流れの中で新たに加入を検討する方もいらっしゃると思いますが、すでに加入している自動車保険、火災保険、傷害保険などに個人賠償責任保険が特約として組み込まれている場合もあります。重複加入するとどちらか一方はムダになってしまいかねませんので、事前によく”チェック”しておきましょう。
自転車保険の加入義務化が進んでいる背景は、【重大な加害事故が発生して高額な賠償責任が発生したときに無保険では被害者救済がされない(されにくい)ので、その備えとする】ことが主眼だと思われます。
いわば自転車版の「自賠責(強制加入)保険」にしていく意図であり、それだけ自転車が凶器になりかねないような乗り方・使い方をされているケースが少なくないという現状が伝わってきます。
歩道を歩いていると後方から“チリンチリン!”と接近を知らせるようにベルを鳴らす自転車を見かけることがありますが、これも道路交通法に違反するといわれます。
自転車のベルは「警音器」であり、自動車のクラクションと同じです。そもそも歩行者優先の歩道で、自転車が警音器を鳴らすようないわれはないはずと指摘されています。
加入は義務とはいっても、自転車保険に未加入でも罰則はありません。というのも自転車保険は、クルマに例えると自動車保険(任意保険)という位置づけになり、自動車保険は未加入でも罰則がない以上、運転免許が必要ない自転車により厳しい法制度を導入する訳にはいかないのです。
それにクルマやバイクと違い自転車には登録制度がないため(防犯登録はあくまで盗難時の照会用)、加入を把握するのが難しいこともあります。それでも県条例で義務化することは、それなりに意味があることなのです。
賠償責任保険特約が保険に加入して、有るか無いかを今一度ご確認して、加入していなければご加入をお勧めします。事故は思いも掛けず起こります、先日ご紹介した『騙されてませんか』では無いですが保険と言うものは安心を得るものですから。
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