『WHAT IF?』ランドール・マンロー【訳】吉田三知世
おはようございます😉
『WHAT IF?』ランドール・マンロー【訳】吉田三知世
あり得ない、ばかげた質問に真面目に答える本です。
例えば、≪野球のピッチャーが”光速”の90%の速度でボールを投げたら?≫という質問。
投げられたボールの進行方向に存在する分子が、ボールの表面にある分子と核融合する。それが繰り返され、次第にマウンド周辺にプラズマ雲が形成される。速すぎるストレートは球場を崩壊させるというわけです。ともかく、光の速さで投球するピッチャーによってスタジアムと、さらにそれが建っている街は破壊された。
最後に筆者はこう付け加えている。
【メジャーリーグ・ベースボール規則6.08bによれば、この状況では、バッターは「死球」を受けたと判断され、1塁に進むことができるはずだ。】
次に≪レーザー・ポインター≫
「新月にレーザー・ポインターを当てて明るくしよう」計画。
当然ながら、手のひらに収まるようなコンパクトなそれでは出力がどう考えても足りない。
【よし。アジアの表面全体にわたって、1平方メートルに1台ずつメガワット・レーザーを設置しよう。】
このように突拍子もない仮定をし話を進めるのも、本書の魅力のうちのひとつです。
ちなみにこれを行った場合、世界の石油備蓄をたった2分で使い果たしてしまうという。2分、しかし月は太陽並みの明るさで輝くそうです。
≪ステーキを空から落として焼く≫
落ちている物体はだんだん加速していく。物体の下の空気が圧縮され、それにより熱が発生する。それにしても、ステーキを落として焼くとか。質問をする方もどうかと思うが、筆者の検証努力がすごい。
≪超音速と極超音速のスピードでは、ステーキの周囲に衝撃波が生じ、これによってステーキはどんどん速まる風から保護される。≫
ちなみに正しい方法(?)で肉を落とすと、外は焦げ、中は生焼けのステーキになるようです。
≪ヨーダはどのくらいのフォースを出せるか≫を考察。ヨーダとは映画『スター・ウォーズ』出てくる強いキャラクター
【オリジナル3部作でヨーダが実力を最大に発揮したのは、ヨーダがルークのXウィングを沼のなかから浮かび上がらせたときのことだ。】
著者はストップウォッチ片手に映画を見て、Xウィングの上昇速度を測った。そしてWookieepediaからXウィングの重量と長さを知り、ヨーダの「ピーク出力」を算出した。馬力に換算すると約25馬力だそう。なお、世界すべての電力需要をヨーダで満たそうとするならば、ヨーダは1億人必要だと試算された。
『ホワット・イフ』の内容をもっと紹介したいところですが、それはできないので質問を幾つか紹介します。
「地球にいる全ての人が1ヶ所に集まってジャンプし、全員同時に着々したら、どうなる?」
「マシンガンを何ちょうか束ねて下向きに撃って人間が飛ぶ事が出来ますか?」
「地球の海最も深いマリアナ海峡の最深部に宇宙まで繋がる半径10キロの円形の排水口を作ったら海水の抜ける時間とどの様に地球が変化するか?」
質問はさほど面白いものではありませんが答え方が実現可能なまでにレベルを上げて答えている所が面白いし、興味深いのです。