『ダイポールモード現象』
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『ダイポールモード現象』
コロナの猛威で忘れかけていたが、直近の冬は常ならぬ暖冬だった。相前後してアフリカでは多雨でバッタが大量発生し、豪州では森林火災が広がった。これらを端的に説明できる気象用語が「インド洋ダイポールモード現象」がそれである。
気象庁の異常気象分析検討会は、昨年末から今年初めの記録的な暖冬について、インド洋の東側と西側で海水温の差が大きくなる「インド洋ダイポールモード現象」が起き、日本付近の偏西風が北側にずれたことなどが要因だとする分析結果を発表した。
インド洋で東部の海面水温が低くなり、西部で高くなる状態を、インド洋ダイポールモード現象と呼ぶ。検討会によると、昨夏から昨年末に発生し、インド洋西部の上昇気流のために、偏西風の流れが通常よりも南北に蛇行するよう変わった。日本付近では北側にずれ、南から暖かい気流が入りやすくなった。
さらに、北極付近の寒気が今年1月以降、日本付近に南下しにくくなる現象も重なり、日本周辺で冬型の気圧配置となる日が少なかった。
気象庁によると、昨年12月~今年2月、東日本と西日本の平均気温は平年と比べて2・0~2・2度高く、統計を取り始めた1946年以来、最高を記録。降雪量も北日本の日本海側と東日本の日本海側で観測史上最少を更新した。
正のインド洋ダイポールモード現象が発生するとフィリピン近海では対流が強まり、日本付近では下降気流が強まり、高気圧が強くなり、猛暑になりやすくなる。逆に負のダイポールモード現象が発生するとフィリピン近海では対流が弱まり、日本付近では下降気流が弱まり、高気圧が弱まり、冷夏や夏の天候不順などの原因となる。
記事https://www-yomiuri-co-jp.
画像https://www.shimotsuke.co.jp/articles/-/284204