飯島企画業務日誌

『紫』

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おはようございます😉

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『紫』
むらさき。そう聞いてどんなものを思い浮かべますか?
朝顔、茄子、葡萄、虹、和風、蝶々、それか紫外線?
紫はミステリアスな変わった色で、昔から人々を引きつけました。なぜ紫というのでしょうか。それは、染料にしていた植物に関係しています。
ムラサキという草があります。群生する植物のため、群れて咲く(群+咲き)ということからムラサキという名前になったそうです。この植物の花は白です。このムラサキの根を染料としていたために、染色された色も同じ言葉で呼ばれるようになりました。
また、当時は紫草を栽培することが難しく珍重されました。古代中国や律令時代の日本では高位を表す色であるとされ、主に皇族やそれに連なる人しか使うことができませんでした。現在でも紫色を身にまとい、その人が高位であることがわかる身近な場所があります。それは神社です。
華やかな赤を身にまとった巫女さんほど見かけることはないかもしれませんが、神社に訪れた際に気にかけてみるといいでしょう。明るいというよりは、暗くどっしりとした紫色の印象を受けるでしょう。
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紫は海外でも貴重であり、英語ではロイヤルパープルといわれ、貝紫色は澄んだ赤みの紫です。当時、貝殻の乱獲のためか貝はその姿を減らしていき、後に王家の色といえば深い青のロイヤルブルーへと変わりました。さて、そんな貝紫色というものを作ることがどれくらい大変か、一つ例を挙げてみましょう。
布を紫にする為にアクキガイ科の巻貝から染料を採る場合、トーガを染めるのに1万匹の巻貝が必要です。トーガとは、古代ローマで下着の上に着ていた一枚布のことです。男性が着用していたそうです。美術館にあるような、布が体に巻き付いているように見える像をイメージして貰えるとわかりやすいかと。
30mlの染料を採るには、25万匹の巻貝が必要だったみたいですよ。布一枚を染めるのにそれを一万回繰り返します。白い分泌液は、布地を黄緑色にし、太陽光にあたると緑から黄色へ、そしてやっと紫へと変わり色を深めていきます。
貝紫は、ニンニクかネギのような刺激臭を放つため、フェニキアの染色職人はそれはそれは大変な思いをしていたのでしょう。色を作るのに、それ以外にも刺激臭のするものを傍に置いておかなければならなかったのですから…。ヒントは人によって作り出される黄色、です。わかりましたか?昔の人は何でも使えるものは使ってたんです。エコですね。その貝によって染められた布は、百年経ってこすっても臭いがするそうですよ。まるで、貝紫の逆襲のようです。
高貴な色を身にまとうのには、当時のその人達にしかわからない苦労があったのかもしれません。
今日服屋さんで手に入る紫色の服が、ニンニクやネギのにおいじゃなくて良かったと思いますね。
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