図書倶楽部『ノースライト』横山秀夫
おはようございます😉
図書倶楽部『ノースライト』横山秀夫
新築の家に家族の姿がない
電話機1台が留守番電話の赤いランプを点灯させ
只、二階の北窓の前に置かれた椅子が風趣に富む景色を望む場所に1脚だけ置いてある
”ブルーノ・タウトの椅子”
柔らかな採光「ノースライト」を浴びる其の場所に
失って気付いた自分自身の感覚
其を取り戻す、取り戻したい
想像力を掻き立てる過去の想い出
売る為に建てる家と、自分の住みたい家の対極
脳裏に広がる壮大な想いは
建築家を取り巻いたミステリーに拡がる
ある家族の成行と他家族との関係
そして主人公の建築家としての考察
一本の糸に「家族」「住居」「渡り」(旅)
一本の糸に「場所」「出逢い」「過去」
一本の糸に「亡命」「絶対美」「工芸運動」
一本の糸に「従兄への想い」「孤独」「ひたすらに埋めること」
その他の糸が繭玉のように絡み
其の一本一本を紡いでいく様が映像化し脳裏を満ちる
遺された糸だけが又絡んで事実が浮き上がる
心を鷲掴みされた言葉「血じゃない、時間だ」
この小説はタイトル通り『ノースライト』である心に優しい穏やかな光を降り注いでくれる
お薦めの長編ミステリー小説です