『食べ残し禁止令』
おはようございます😉
『食べ残し禁止令』
中国の習近平国家主席が、食品廃棄の問題に取り組んで、(光盤)「皿を空にする」キャンペーンを始めた。
もともと中華料理は大勢で食べる文化的習慣があり、皿に少し食べ残すというマナーがある。これは、出て来たものが十分量であることを示し、「お腹いっぱいで満足です。十分いただきました。」という意味で、ごちそうになったことに対する礼儀であるそうだ。
中国科学院が発表した報告書によると、レストランで客の食べ残しを廃棄した量は、1人当たり毎食93グラム。大都市では毎年1800万トンが廃棄されているという。だが、このキャンペーンは食料廃棄の問題というよりも、今秋以降、予測される食料不足に備えるための切実な問題提起なのだ。■中国では6月初旬から2カ月近く続いた豪雨の後、8月の台風シーズンに入って、長江、淮河、黄河など主要な河川流域で大洪水が発生した。とりわけ長江下流域で、中国の農産物の約24%を生産する穀倉地帯で、農作物が深刻な被害をうけ、今秋の収穫が大幅に減少すると予想されている。
■蝗害は世界的に発生しているが、なかでも”サバクトビバッタ”は、アフリカで大発生し、中東、南アジアで猛威を奮い、5月上旬にインドに侵入。パキスタンで全農作物の約15パーセントに被害をもたらした。その後、ネパールまで東進している。全力で警戒する中、バッタが最初に大発生したのは6月28日、雲南省普洱市だった。7月上旬には広西省に広がって、稲やトウモロコシ、柑橘類などを食べ尽くした。
■アフリカ豚コレラは人間には感染しないとされ、豚熱とは別種のものだ。しかし豚への感染力は強く、猛毒性で致死率はほぼ100%。昨年、中国で大流行して、前年比4割に相当する1億頭以上が減少した。今年、そのアフリカ豚コレラが再発生しているのだ。しかも豚熱、鳥インフルエンザも流行中だ。豚肉の生産量が40%以上減少したことで、鶏肉、牛肉の需要が高まり、食品全体の価格が2割から5割も高騰している。
アメリカ農務省は、7月10日から16日までの間に、アメリカから中国へ輸出した豚肉、トウモロコシ、木綿、大豆、米などが、3兆4715億円に達したと発表した。
米中経済戦争のさなかにも関わらず、中国はせっせとアメリカから食料を輸入しているのである。もはや中国の食料不足は明らかだろう。冒頭にあげた「皿を空にする」キャンペーンは、今秋にも迫り来る食料不足に危機感を抱く中国政府が実施した“苦肉の策”なのだろう。だが、飽食に慣れてしまった国民が、果たしてどこまで素直に聞くだろうか。国民の食欲を満たせなければ、政権が危うくなること必定だろう。
19の国と地域で輸出規制が始まり、なお増加中だ。先進国のなかで、食料自給率が最も低い日本は早急に対策を講じるべきだろう。
記事https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/61739?
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