飯島企画業務日誌

『ミラーワールド』7/12

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おはようございます😉

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『ミラーワールド』7/12
ミラーワールドが完全に花開くには、安価で常に装着するタイプのウェアラブルグラスの登場を待たなくてはならない。巨大テック企業のどこかが、まさにそんなプロダクトを開発しているのではないかという憶測が高まっている。アップルはAR人材をお祭りのように採用していて、最近Akonia Holographicsという、薄くて透明な「スマートグラス」用レンズに特化したスタートアップを買収している。「ARはすべてを変えていきます」とアップルCEOは2017年後半の業績報告のなかで述べた。「それは大規模なものになるでしょう。アップルは、この分野を牽引する真にユニークな立場にあると思っています」
しかし、ARグラスを使う必要はない。ミラーワールドへはあらゆるデバイスからアクセスできる。すでにグーグルの「Pixel」フォンでも同じようなことができるが、単に3Dバイザーのようなプレゼンスを感じられないだけだ。いまでさえ、時計やスマート衣服といったウェアラブルによってミラーワールドのプロトタイプを検知し、やりとりすることが可能だ。
インターネットにつながっているものは、すべてミラーワールドにもつながることになる。そして、ミラーワールドにつながったものはすべて、この相互につながった環境内にあるすべてのものを見ることができ、また見られることになる。時計は椅子を検知し、椅子はスプレッドシートを検知し、メガネは袖の下に隠れた時計でさえ検知する。タブレットからはタービンの中を見ることができ、タービンは周囲で働く人々を見ている。
巨大なミラーワールドの勃興は、いまこの瞬間に起こっている底流での変化によるものでもある。それは、スマホ中心の生活から、2世紀前からある「カメラ」というテクノロジーへと向かう流れだ。地球と同じサイズの地図を3Dで再構築するためには、すべての場所のすべてのモノを、考えられ得るあらゆるアングルから、すべての時間軸で撮影する必要がある。それはつまり、この惑星全体を、常時オンの状態のカメラで埋め尽くさなければならないということだ。
われわれはいまや、分散化され、すべてをレンズに収めたカメラのネットワークをつくりだしている。それはカメラがピンポイントの電動眼球となって、遍在可能になったからだ。かつてコンピューター回路がそうだったように、カメラは年々性能が上がり、ますます安価で小さくなっている。すでにあなたのスマホにはふたつ付いているだろうし、クルマにはもう2、3個付いているだろう。玄関にもひとつある。こうした新たな人工眼球のほとんどは、メガネやコンタクトレンズのようにあなた自身の眼のすぐ近くに付くことになるだろう。それによって人間が見ている光景すべてをキャプチャーできるのだ。
記事画像https://wired.jp/special/2019/mirrorworld-next-big-platform(雑誌『WIRED』日本版VOL.33より転載)
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