『N-NOSE®』エヌノーズ
おはようございます😉
『N-NOSE®』エヌノーズ
がんは今や不治の病ではない。早期発見できれば、完治する可能性は高まる。そのためには、定期的ながん検査を受けることが大切だが、日本人のがん検診受診率は他の先進国に比べて非常に低い。受けるのに手間や時間がかかる、安価な検査は精度が低いし、精度が高い検査は高額で手を出しづらい……。そんながん検査のもどかしさを解決するのが、たったの”9800円”で15種類のがんのリスクを判定する、がんの1次スクリーニング検査「N-NOSE ®(エヌノーズ)」だ。これまでの一般的な検査とはまったく違い、生き物を使うのがN-NOSE最大の特徴だ。目や耳を持たないかわりに嗅覚が発達している線形の小さな生物「線虫」を使い、「がん患者の尿に集まり、健常者の尿からは逃げる」という線虫の性質を利用して、がんを検知する。
N-NOSE開発の原点は、研究者で同社代表取締役でもある広津崇亮さんの発見にある。広津さんは約20年にわたり線虫の研究をする中で、九州大学の助教授時代に「線虫が非常に高い精度でがん患者の尿の匂いを嗅ぎ当てる」ことを発見した。そして2016年8月、大学発のベンチャー企業を立ち上げた。
40歳以上の定期的ながん検診を政府も推奨している。ところが、日本人のがん検診の受診率(胃がん、大腸がん、乳がん、肝臓がん、肺がんといったいわゆる「5大がん」の検診)は他の先進国と比べるととても低く、4割に満たない。なぜなら従来の検査方法には、「受けるのに手間や時間がかかる」「苦痛を伴う」「安価な検査は精度がよくない」「精度がいい検査は費用が高額」といった理由がつきまとうからだ。
製薬系ベンチャーだと、国の承認に至るまでのプロセスに膨大な資金や時間が必要になる。だが、N-NOSEは検査サービスだ。そのため世に送り出す際、必ずしも国から承認をとる必要はなく、その分のコストは抑えることができた。とはいえ、研究開発費がかさむため、立ち上げ当初から経営状況はラクではない。広津さんは思いを貫くために、知恵を絞り工夫を重ねた。
冒頭でも述べた通り、N-NOSEの魅力はリーズナブルな価格だけではない。なぜ高精度なのか。なぜステージ0、1といった早期がんを発見できるのか。なぜ一度の検査で全身のがんリスクを高精度に調べることができるのか。このカギは、すべて線虫が握っている。検査で使われる線虫「C. elegans(シー・エレガンス)」は、DNAがすべて解析されている扱いやすい動物だ。そして、イヌの約1.5倍の嗅覚受容体様遺伝子を持つ。いわゆる「ニオイに超敏感」なので、より多くのニオイの違いを識別できると考えられている。実際に最新の臨床研究でも、がん患者と健常者の尿を高精度に見分けることがはっきりわかっていて、その感度は実に86.3%だという。
記事画像https://gendai.ismedia.jp/articles/-/74115?imp=0『1回9800円!「尿1滴」でできる凄いがん検査「N-NOSE」とは? マネー現代 講談社(1/6)』