進化するDNA型鑑定『コールドケース』解決の切り札に
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進化するDNA型鑑定『コールドケース』解決の切り札に
「コールドケース」と呼ばれる未解決事件の捜査に、最新のDNA型鑑定が積極活用されている。近年、飛躍的に進歩しているDNA型の鑑定技術は事件捜査の「切り札」にもなっており、著名な未解決事件の突破口としても期待が寄せられている。
DNA型鑑定は、人の血液や汗などから検出されるDNAの塩基配列の繰り返し回数が、各人により異なるという特性を利用したものだ。日本の警察では平成元年、警察庁科学警察研究所が実用化した。
当初の個人識別の精度は「25人に1人」程度の割合で、決して高いとは言いがたかったが、15年に新たな検査試薬を採用、自動分析装置の導入も進み「STR型」と呼ばれる手法がとられるようになると、識別精度は「1100万人に1人」と飛躍的に向上した。
18年には世界の人口を大幅に上回る「4兆7千億人に1人」になり、31年には新たな鑑定キットを採り入れたことにより「565京人に1人」と、「まず本人で間違いない」(捜査関係者)レベルにまで高まっている。かつては、分析を重ねるたびに事件の貴重な証拠である試料(遺留物)を一定量消費してしまうのが悩みの種だったが、現在は微細な皮膚片など極めて微量な試料からでも、少ない分析回数で緻密な鑑定ができるようになり、今では1ナノグラム(10億分の1グラム)の微量でも鑑定が可能。
精度が高まる一方、事件後に現場に立ち入る第三者や捜査員らのDNAが混入すれば鑑定に影響を及ぼすため、鑑識捜査に慎重さが求められるのは変わらない。試料の劣化を防ぐため保存にも細心の注意を払っており、捜査関係者は「できる限り新鮮な状態で冷凍保存する」と説明する。
現在ではDNA型鑑定により皮膚や髪、目の色まで特定することが可能。「捜査に活用するには倫理的な問題をクリアする必要があるが、遺伝性の強い疾患の有無もある程度わかる」という。
警視庁捜査1課では、105件のコールドケースを約50人の捜査員が今も粘り強く捜査している。その代表格が、平成12年12月、東京都世田谷区で一家4人が殺害された事件だ。犯人が現場に残したA型の血液などのDNA型から、容貌を推定できる可能性があるという。
「犯人特定にDNA型鑑定は欠かせない存在になった。絶対にあきらめず、基礎的な捜査も継続しながら、コールドケースを解決に導きたい」。捜査幹部は力を込めた。引用記事画像https://www-sankei-com.cdn.ampproject.org/v/s/www.sankei.com/premium/amp/210401/prm2104010007-a.html?amp_gsa=1&_js_v=a6&usqp=mq331AQHKAFQArABIA%3D%3D#amp_ct=1617946808517&_tf=%251%24s%20%E3%82%88%E3%82%8A&aoh=16179467989896&referrer=https%3A%2F%2Fwww.google.com&share=https%3A%2F%2Fwww.sankei.com%2Fpremium%2Fnews%2F210401%2Fprm2104010007-n1.html 『進化するDNA型鑑定 「コールドケース」解決の切り札に 産経新聞 2021.4.10 05:00』