飯島企画業務日誌

『インティマシー・コーディネーター』

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おはようございます😉
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『インティマシー・コーディネーター』
昨今問われる、表現の現場におけるハラスメント問題。Netflixでは、オリジナルの全作品を対象にハラスメント研修を主とした「リスペクト・トレーニング」を全世界で導入している。さらにヌードやセックスといった演者の心理的・肉体的な負担の大きいセンシティブなシーンを含む作品では、適切な撮影方法の指導や演者のメンタルケアなどを行う専門家の「インティマシー・コーディネーター」を、日本発のオリジナル作品でも積極的に起用する方針だ。地上波テレビなどに比べ自由な表現を追求できる場であったVODだが、役者の尊厳を守る一方で、芸術性や質の担保に影響はないのか? 起用の狙いとその背景について、Netflixおよび制作現場の声を聞いた。
「○○監督の現場では怒号が飛び交う」といったエピソードをバラエティ番組などで耳にしたことがある人もいるだろう。その多くは笑い話のように語られるが、一般社会では許されないパワーハラスメントだ。しかしコンテンツの制作現場では「作品への情熱」「役者魂」といった大義名分、あるいは「声を上げたら干されるのでは?」といったキャリアへの不安から、今なお同様のハラスメント行為が黙認されてしまう土壌がある。
こうしたコンテンツ現場ならではの悪習を改善するべく、Netflixが全世界のスタジオで導入しているのが「リスペクト・トレーニング」だ。これは業種や上下関係を越えて互いに尊重し合う気持ちを現場の共通認識とするための研修であり、コンテンツに関わるすべてのスタッフ・キャストがリスペクト・トレーニングを受けるまでは原則的に「カメラを回さない」ことを徹底している。
グローバルサービスであるNetflixの取り組みを受けて、“古い体質”がまだまだ残る日本の映画界も変わりつつある。インティマシー・コーディネーターはアメリカで始まった業種で、2017年頃にハリウッド女優たちがセクシャルハラスメントを告発した「MeToo運動」が誕生のきっかけとされる。アメリカにはインティマシー・コーディネーターを養成する機関が設立され、ケーブルテレビ局HBOがすべてのテレビ番組・映画に起用する方針を発表するなど、ここ数年で一気に普及が進んでいる。つまりコンテンツ業界全体の意識改革こそが、これらの取り組みの狙いなのだ。VODの普及もあって、日本のコンテンツ業界もグローバルの動向を無視できなくなった。なにより健全な制作現場がコンテンツをさらに豊かなものにしてくれることに期待したいところだ。
記事画像https://www-iwate–np-co-jp.cdn.ampproject.org/v/s/www.iwate-np.co.jp/article/oricon/2190528/amp?amp_js_v=a6&amp_gsa=1&usqp=mq 『“濡れ場”のチェックに専門家を起用したNetflixの狙い 役者の尊厳と芸術性の担保「クリエイターファースト姿勢は変わらない」岩手日報 2021.5.13 05:00』
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